晴れコラム

2025.01.31
吹き抜けとは?その必要性やメリット・デメリットをプロ目線で解説

秋田市や大館市で家づくりを検討されている皆様、新築住宅の購入を考えている子育て世代の皆様、こんにちは。ハレクラスの高橋です。

この記事では、リビング空間を広く開放的に演出する「吹き抜け」について、その必要性やメリット・デメリットをプロの目線で詳しく解説していきます。

秋田市・大館市のような寒冷地での吹き抜けの注意点や、設計段階で考慮すべきポイントについても触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

1.吹き抜けとは

吹き抜けとは、建物の1階と2階、または2階と3階など、複数の階層を繋ぐように天井を設けずに開放的な空間を創り出す設計手法です。
構造としては、柱や梁で空間を支え、天井がないため、視覚的に広がりを感じることができます。

    2.住宅設計における吹き抜けの位置づけ

    吹き抜けは、リビングや玄関、階段スペースなどに採用されることが多く、空間デザインにおいて重要な役割を担います。
    開放感や採光効果、空間の広がりを生み出すだけでなく、インテリアデザインのアクセントとしても活用されます。
    また、家族間のコミュニケーションの場としても有効で、階層が異なっても音や気配を感じることができ、建物としての一体感が生まれます。

    3.吹き抜けが必要な3つの理由

    ではなぜ吹き抜けが必要なのでしょうか?その3つの理由を解説します。

      開放感と空間の広がり

      吹き抜けは、天井がないことで視界が遮られず、空間全体に開放感をもたらします。
      特にリビングに採用することで、狭く感じやすい空間を広く見せる効果があり、家族が集まる空間をより快適なものにします。

      採光と通風の向上による快適な室内環境

      吹き抜けは、高い位置から光を取り込むため、部屋全体を明るく照らします。
      また、自然な風通しを作り出すことで、室内環境の改善にも役立ちます。
      特に、日当たりの悪い部屋や、通風の悪い間取りの場合、吹き抜けは有効な手段となります。

      家族間のコミュニケーション促進

      吹き抜けは、家族がそれぞれの階層で過ごしていても、視覚的に繋がりを感じることができます。
      そのため、家族間のコミュニケーションを促進し、温かい家庭空間を育む効果も期待できます。

      これらが家に吹き抜けを設ける必要性として考えられる部分です。

      4.吹き抜けの4つのメリット

      家に吹き抜けを取り入れることで得られるメリットを4つご紹介します。

        自然光の取り入れによる明るい室内

        吹き抜けを設けることで、高い位置に窓を配置でき、自然光を室内全体に行き渡らせることができます。
        これにより、日中の照明使用を抑え、省エネ効果も期待できます。
        特に秋田市や大館市のような地域では、冬季の日照時間が短いため、吹き抜けを活用して少ない日照を最大限に活かすことが可能となるはずです。

        空気の循環による室内環境の改善

        吹き抜けは、上下階の空気を自然に循環させる効果があります。
        これにより、室内の温度ムラが減少し、快適な居住環境を維持できます。
        また、シーリングファンを併用することで、さらに効率的な空気循環が可能となります。

        デザイン性の向上と高級感の演出

        吹き抜けは、住宅のデザイン性を高め、高級感を演出する要素としても注目されています。
        天井が高くなることで、空間に立体感が生まれ、訪れる人々に印象的な空間を提供します。
        また、インテリアの自由度も増し、個性的な住まいづくりが可能となります。

        家族の気配を感じやすい空間づくり

        吹き抜けを通じて上下階が繋がることで、家族の気配を感じやすくなります。
        これにより、家族間のコミュニケーションが自然と増え、安心感のある住環境を提供します。特に子育て世代にとっては、子どもの様子を把握しやすくなる点が大きなメリットとなるはずです。

        5.吹き抜けの4つのデメリット

        一方で、吹き抜けには以下のようなデメリットも存在します。

          冷暖房効率の低下と光熱費の増加

          吹き抜けにより空間が広がることで、冷暖房効率が低下し、光熱費が増加する可能性があります。
          特に秋田市や大館市のような寒冷地では、冬季の暖房費が増加する懸念があります。
          この点を考慮し、全館暖房という意識付けのもとに、空間設計と適した断熱性能が求められます。

          音や匂いの伝わりやすさ

          上下階が繋がることで、音や匂いが伝わりやすくなる傾向があります。
          これにより、プライバシーの確保や生活音の問題が生じる可能性があります。
          例えば、室内で焼肉などをすると、上に階にも匂いが伝わる可能性が高いです。

          施工コストとメンテナンスの難しさ

          吹抜けの施工には内部足場を設置する等、高所での作業も発生する為、しっかりと施工費用はかかります。そのため、延べ床面積のみで予算検討をされていると、結果的に坪単価が上がって見えてします。(一般的に坪単価は延べ床面積で算出されるため)吹抜けにするにも費用がしっかりかかるという事を意識した上でプランの発注をしましょう。
          また、吹き抜けの高い位置に設置される窓や照明器具は、日常的な掃除やメンテナンスが難しく、専門的な作業が必要になる場合もあります。

          プライバシー確保の難易度

          吹き抜けは上下階をつなぐ開放的な空間を生み出す一方で、視覚的・聴覚的なプライバシー確保が難しくなることがあります。
          特に生活音や会話が上下階で伝わりやすいため、2世帯住宅等のお互いのプライバシーを重要視するご計画では要注意となります。

          6.秋田市・大館市の気候と吹き抜けの相性

          秋田市や大館市のような寒冷地では、吹き抜けを設ける際に地域特有の気候条件を考慮する必要があります。

            全館暖房計画としての吹き抜けの採用

            各居室の温度差を無くし、ヒートショックから家族を守るために、全館暖房という考え方が秋田市や大館市では主流になっています。暖房の熱を効率よく家の中を循環させるかが課題となりますが、そのためには空気の流れを意識しましょう。暖気は吹抜けを通って上昇します。逆に冷気は重いので吹抜けを通って下降します。吹き抜けにシーリングファンやサーキュレーター等を設置し、階層間の温度差を無くす工夫をすることで、全館暖房に対する吹き抜け空間のメリットが生まれます。
            ハレクラスとしてのおすすめである「薪ストーブ」はとても熱量が高く、シーリングファンで空気を循環させることで、効率的な暖房が実現します。

            薪ストーブについての関連記事はこちらからご確認ください。
            関連記事:自然素材の家に薪ストーブは適しているのか?注意点や施工事例をご紹介

            7.吹き抜けを取り入れる際のポイント

            家づくりの際に吹き抜けを検討するには、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。

              ライフスタイルに合った設計

              吹き抜けは家族の生活スタイルや将来のライフイベントに合わせて設計することが重要ですので、今のことだけを考えるのはやめましょう。
              子どもが成長して生活動線が変わる場合や、家族の人数が変動する場合にも対応できる設計を検討しましょう。

              省エネ対策

              冷暖房効率を向上させるために、吹き抜けを中心とした間取りを考えましょう。温かい空気が吹抜けを通って各居室まで流れることで吹き抜けのメリットが最大限に活かされます。
              また、省エネ性能の高い設備を組み合わせることで、光熱費の抑制と快適な室内環境の両立が可能です。

              メンテナンスのしやすさを考慮

              吹き抜け部分に設置する窓や照明器具は、掃除や交換がしやすい構造を考えることが大切です。
              例えば、開閉可能な高窓やリモコン操作可能な照明を採用することで、手間を軽減できます。

              これらに注意し、吹き抜けを家に取り入れるのは良いかと思います。

              8.吹き抜けのあるハレクラスの実例紹介

              以下は吹き抜けを取り入れた住宅の事例です。

                家の中心に設置した薪ストーブと階段の上部を吹抜けにした例。

                大胆に2階全部をワンホールとし、吹き抜けによって1階とのつながりを持たせた例。

                ハレクラス施工のお住まいの例。お子様の気配を感じられる吹抜けとロフトの関係性。

                8.まとめ

                いかがでしょうか。
                吹き抜けは、住宅における空間デザインに大きな影響を与える要素であることはご理解いただけましたでしょうか。
                その吹き抜けのメリットとデメリットを理解した上で、慎重に検討する必要があると言えます。
                特に、秋田市・大館市のような寒冷地では、断熱性能や気密性、冷暖房設備など、注意すべき点がいくつかありますので今回の記事をご参考くだされば幸いです。
                今回の記事が、皆様の家づくりでの吹き抜け導入の判断基準となることを願っております。

                この記事を書いた人
                HARE CLASS担当
                高橋 慎也
                (有)大建 営業課長/宅地建物取引士
                フリーペーパー編集長を経て独立後、大建でマイホームを建てたことがきっかけで無垢材で建てる本物の木の家づくりに共感し入社。
                自身の家づくりの経験と1児の父として、子育て後の夫婦の暮らし方も見据えた家づくりへの想いを込めてハレクラスに関わらせていただいております。
                趣味は山菜採り。釣り。料理。将来は畑を耕し、秋田の自然の中で半自給自足生活を楽しみたいと思っています。

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